鳳山雑記帳はてなブログ

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中国人民解放軍Ⅰ 総合

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 孫子謀攻編に曰く「彼れを知りて己を知れば、百戦して殆[あや]うからず」。
 ロシアよりも尖閣諸島などを巡って戦争の危険性が高い中国人民解放軍の実態を知っておく事も無駄ではないでしょう。日本のメディアが意図的かどうかは知りませんがほとんど報じないので日本国民は仮想敵の事を全く知りません。そこで例によって世界軍事情勢(原書房)を中心に甚だ簡単ではありますがその実態を見ていく事にしましょう。
 
 予定では「Ⅰ総合編」、「Ⅱ海軍編」、「Ⅲ陸軍編」、「Ⅳ空軍編」と分けるつもりです。とても一回では紹介しきれないからです(汗)。
 
 
 まず総合編では、人民解放軍の実態を見て行きましょう。人民解放軍は国家の軍隊ではありません。中国共産党の私兵です。建前上は国家の軍隊であると規定(中国人民共和国国防法)しているようですが共産党の政治将校がどっぷり入り込んでいる軍隊のどこが国家の軍隊なのでしょう?
 
 
 人民解放軍は大きく分けて陸軍、海軍、空軍、戦略ミサイル部隊に分かれます。現役総兵力は2009年現在のデータで218.5万人(陸軍160万人、海軍25.5万人、空軍33万人、戦略ミサイル軍10万人)。最盛期には400万人くらいいたのですが、兵力削減して装備の近代化を図っている最中です。このほかに予備役80万人、さらに準軍隊ともいうべき人民武装警察も70万人を数えます。
 
 戦略ミサイル軍については独立して記事に書かないのでここで簡単に記述します。1966年に創設、第2砲兵とも呼びます。戦略核ミサイル、戦略ミサイル原潜、戦略防衛レーダー網部隊から成り兵力10万人。
 
 戦略ミサイル発射基地20か所。それぞれミサイル旅団が管轄します。
◇兵力
 ICBM(大陸間弾道弾:射程3000km以上)×47基
 MRBM(準中距離弾道ミサイル:射程1000km~3000km)×77基
 SRBM(短距離弾道ミサイル:射程1000km以下)×725基
 巡航ミサイル(射程1000km以上)×200基以上(増強中)
 戦略ミサイル原潜「晋」級2隻+2隻建造中(2009年のデータ)
 
 ほかにASBM(対艦弾道ミサイル)も開発中。
 
 
 忘れてはならないのは、もちろん日本も標的になっているという事です。これを見たら日中友好など絵空事だと気付かされるでしょう。戦争はなるだけ避けなければなりませんが、拡大路線を取っている人民解放軍を暴走させないためにも日本はしっかりと防衛力を整備しておくべきでしょう。
 
 少なくとも核保有論議、その前にスタンドオフ(長射程)攻撃兵器保有論議くらいはすべきでしょう。保有するのが望ましいのは確かですが…。というか遅すぎます。日本人がまじめに防衛論議をしてこなかった間に取り返しがつかないところまで来ているのかもしれません。