鳳山雑記帳はてなブログ

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APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)

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APFSDS(Armor Piercing Fin Stabilized Discarding Sabot)は戦車の主砲などに使用される砲弾で、装甲を貫くのに特化した弾である。日本語では装弾筒付翼安定徹甲弾(そうだんとうつきよくあんていてっこうだん)などといわれる。開発当初はAPDSとの対比としてAPDS-FSと呼ばれていた。この呼称はまだ一部の国で使われている。
 
                              - ウィキペディアより -
 
 現用戦車の主要砲弾となっているAPFSDS。簡単に言うとミサイルのような形の侵徹体を装弾筒(Sabot、サボ)が包み込んだ構造で、発射すると砲口を出た瞬間に装弾筒がパカッと割れ中身の侵徹体だけが飛んでいきます。
 
 その速度はマッハ5位にもなる恐るべきもので、敵戦車の装甲に命中した瞬間、液状化現象を起こし装甲に溶け込むようにして侵入します。そして貫徹した後、溶け残った侵徹体が内部に大きな被害をもたらします。この砲弾だと旧来の被弾経始は意味が無くなりますね。
 
 その原理は狭い範囲で侵徹体と装甲が高圧に圧縮される塑性流動で相互侵食させるというものです。専門的には私も分からないので気になる方はウィキなどでお調べください(汗)。
 
 意外にもこの砲弾を開発したのは1961年ソ連だそうです。その後1970年代にアメリカで採用され、西側各国で普及しました。
 
 イスラエル製のものが優れているようで、1978年に採用されたM-111という砲弾はNATO諸国でライセンス生産されるくらいでした。イスラエル軍レバノン侵攻でソ連T-72戦車を撃破したのもこれだったそうです。
 
 APFSDSの侵徹体は、硬くて比重の重い金属がいいのでタングステン合金が使われました。アメリカはこれを劣化ウラン合金に変えた物を開発します。劣化ウラン弾は装甲を突き抜けた瞬間高熱で燃え上がってさらに大きな被害を出す凶悪なものだそうです。
 
 こんな砲弾でやられたイラクの戦車兵たちに同情します。
 
 しかし米軍のM‐1エイブラムスは同士討ちで味方のM‐1戦車の砲弾をくらっても正面装甲は破壊されなかったそうですから恐ろしいです。さすがに側面や背後からは駄目だったそうですが…。
 
 どんだけ防御力が高いんだよ!