鳳山雑記帳はてなブログ

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エセックス級航空母艦 (アメリカ)

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 アメリカが建造した第2次大戦の主力正規空母。1942年のネームシップエセックス」を皮切りに32隻が発注され24隻が竣工するというアメリカ工業力の凄さを体現した空母です。
 
 酷い時には1月に1隻のペースで竣工したため、月産空母という恐ろしい異名を持ちます。護衛空母カサブランカ級はさらに上を行っていて1週間に1隻のペースだったため週間空母という名前を付けられました(苦笑)。こちらは派生型も含めて100隻近く建造されたんじゃないかな?
 
 戦争が始まってから日本が建造したまともな空母が大鳳信濃など数隻だったのと比べると、いかに工業力が隔絶していたか分かります。日本はよくこんな国と戦争したなと空恐ろしくなります。
 
 
 もともと成功作という評価のヨークタウン級の拡大改良型ですが、それまでの理想と言われていた飛行甲板にも装甲を施した所謂密閉式格納庫をもった装甲空母と違って、開放型格納庫を持ったのが特徴です。
 
 これは船体上部にこそ装甲を持つものの、格納庫と飛行甲板には最低限の装甲しかなく、側面も骨組み以外はカーテンなどで仕切られた方式でした。分かりやすく言うと軍艦の上に箱を乗せて、その上面を飛行甲板にしたと言えば想像できるでしょうか?
 戦時急造なら本格的な装甲空母よりもそこそこの性能で量産がきく方が良いというアメリカ式合理精神の現れですが、意外とダメージコントロールの面からも有利でした。
 
 飛行甲板に爆弾が直撃しても開放されているため爆風が外に逃げやすく、また船体甲板が装甲されているため船体内部に達しにくい構造でしたので、沈みにくい船となりました。逆に大鳳のような装甲空母は、飛行甲板にも厚い装甲を施したため、防御力は最強でしたが、もしその飛行甲板を破られると密閉しているため爆風が逃げず大きな被害が出てしまいます。実際大鳳もこれが原因で気化したガソリンが外に逃げず誘爆して沈みましたからね。しかもトップヘビーになり格納庫スペースを制限しても(=搭載機数が減る)復元力に問題が出ました。
 
 第2次世界大戦でのエセックス級の戦没艦はありません。日本の特攻機で大破はあったかな?たしかシャングリラ。航空機も90機(最大で102機、露天駐機含む)搭載できるなかなかの優秀空母でした。
 
 
 戦後も、あまりに作りすぎたためジェット機用に改装してしばらく使い続けられ、空母として第一線を退いた後も対潜空母強襲揚陸艦に艦籍を変更して使い続けられました。最後の1隻が退役したのは1991年(レキシントンⅡ)だそうです。