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続・丹波哲郎の死者の書「霊界旅行」

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 何を隠そう私は昔(10代のころ)不思議大好き少年で、スーパーミステリーマガジン「ムー」を10年間愛読していた人間です。不思議とか超古代文明とか超能力とか予言とか霊とか…。


 今では人間がすれてきてるのでネタとしてしか見ませんが、久しぶりに本棚を整理しているとこの本を見つけました。知ってる人は知ってますが俳優の故丹波哲郎さんは霊界研究でも有名で最後は映画まで作った人でした。(映画はいまいちでしたが…)


 続~というからには前があるわけでして、もともと丹波さんは自分の霊界研究を「死者の書」という本にまとめて、これを最初で最後にするつもりだったとか。すると読者からの反響がすごく、ある高知県の読者からの手紙が本書を書くきっかけになったことが前書きで書いてあります。


 内容は後で紹介しますが、もしこの話がフィクションだったとしたら丹波さん(あるいはゴーストライター)はすごいシナリオライターの才能があるし、また実話だとしても衝撃的内容です。手紙を送ってきた高知県の読者の方が凄い才能の持ち主なのかもしれませんが…。





 物語は、ひょんなことから霊界と現界を行き来できる能力を持った読者の父(仮にX氏とします)の残した一冊のノートから始まります。


 戦後間もないころ、高知県の山奥で起こったバス転落事故。そこの居合わせて事故で亡くなった20数人の乗客たち。

 その土地の人間もいれば、よそ者もいました。X氏は自分の守護霊に導かれてこれらの事故の後、死亡した霊たちがどうなりどこへ行ったかを見せられます。


 ある者は生前の悪行により地獄へ。ある者は生前の善行により極楽へ。それらの人々の生々しい人生を見せられるにつれ我々読者も引き付けられ衝撃を受けます。


 改めて読み直してとくに私が深く印象に残ったのは、愛人をしている奔放な姉をもち、それを憎んでいた真面目で堅物の妹が、じつは無理に自分を抑えているだけの色情狂だったところです。人が死んだら霊界にすすむまでに中有界というところにまず行くそうですが、そこで死者は自分の本性に従って行先を選択させられます。

 彼女は自分の欲望に従って色情の強い霊たちのグループに自然と引き付けられいつ果てるともしれない性の饗宴にどっぷりとつかっていました。

 周りから見れば地獄なのに、本人はそれに気付かない。それこそがまさに地獄なのでしょう。地獄極楽は閻魔さまが裁くのではなく自分で選択しなければならないという冷徹な事実が私には恐ろしく感じられました。


 暴力の中でしか存在感を見いだせない者は修羅界へ、性欲が並はずれて強い者は畜生界へ、一方純粋で善行を好む者は天界へ、それぞれ望みの世界に旅立てるのです。


 本書は辛い話ばかりではありません。純粋な魂を持ちながら精神薄弱児であるばかりに、卑劣な男に強姦され父なし子を生んだ女性。それがかえって迫害のもととなりながらも母子ともに懸命に生きた人生でした。現生では不幸でしたが、霊界はそれぞれの本性が出る世界。彼女は神々しいまでに輝いていました。子供は天使要員として引き取られます。いや、子供は将来天使になるための修行として自ら不幸な出生を選んだのかもしれません。


 そんな彼女が、新たな人生、新たな修業を望んで再び現世に生を受けるために修行する姿は静かな感動を与えます。


 そして物語は、X氏が近所に生まれた赤ん坊のもとに通い可愛がるところで終わっています。それはまるで本当の祖父が孫をあやすようであったそうです。X氏は赤ん坊に彼女の面影を見ていたのでしょう。


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 霊を信じる人も信じない人も、一度読んでみてください。人生について考えさせられますよ。私は丹波哲郎さんの霊界関係の本はこの一冊を読むだけでいいとさえ思っています。