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トンブリ級海防戦艦(タイ)

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 なんかおいしそうな名前でしょ?丼じゃないよ!(爆)

 このトンブリ級は、わずか2000tちょっとの駆逐艦並の船体に重巡洋艦の主砲である8インチ連装砲を前後に2基搭載した無茶な船でした。海防戦艦という名前ですから当然本格的な戦艦と比べれば非力さは隠しきれませんが、沿岸警備を目的とする船としては十分でした。

 実はこの船、日本製なんです。1番艦トンブリ・2番艦スリ・アユタヤとも日本・神戸の川崎造船所で造られました。どちらも1938年に竣工しています。このあたり日本とタイの友好関係が分かりますね。そういえば艦橋のあたりが特型駆逐艦に似ていませんか?(笑)。


 実戦に参加したのは1941年のことです。仏領インドシナとの紛争が勃発し仏・極東艦隊と交戦しています。フランス側も仰々しい名前ですが所詮植民地艦隊なので旗艦軽巡ラモット・ピケ以外は通報艦とか砲艦とかの舐めた戦力でした。タイ海軍はこの2隻の海防戦艦の他水雷艇、敷設艇などを総動員してこれにあたります。

 
 結果は想像通りフランス側の圧勝。といいますのも戦力的には仏側軽巡1隻、タイ側海防戦艦2隻だけがまともな戦力だから仕方ありません。

 ラモット・ピケは腐っても軽巡洋艦で7200tもあります。武装も6.1インチ(15.5cm)連装砲×4基8門の砲力を誇りますから、いくらタイ側が8インチ(20.3cm)合わせて8門でも船体防御力が違いすぎます。1発でも当たっていれば勝敗の行方も変わったでしょうが、訓練不足もあってタイ海軍は命中弾を与えられませんでした(う~ん残念!)。


 2隻の海防戦艦はこの海戦で擱座。戦後引き揚げられて修理、再び使用されますがこんどは1951年の内戦で、なんとタイ陸軍の砲撃を受けて大破、沈没するという不幸な生い立ちでした。


 私はこういう味のある船が大好きなんですよ。マイナー過ぎるとは思いましたが思わず記事にしてしまいました(笑)。