鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

謎のボータン装甲

 ちょっとマニアックな記事なんで読んでくれる人はいないと思います(笑)。



 ボータン鋼あるいはボータン装甲、聞きなれない名前ですが第二次大戦中のドイツ艦船に主に採用された(おそらくクルップ社製の…間違ってたらごめんなさい)装甲です。

 私がこれを知ったのは元海軍造船官、福井静夫氏の一連の著作だったと記憶してますが今改めて調べようとしてもネットで情報が見つからないんです。本もどっか行っちゃったし(苦笑)。

 おそらく均質圧延装甲(Rolled Homogeneous Armor)の一種だと思うんですが、詳細は不明です。


 均質圧延装甲とは…【全体が均質な圧延鋼板で作られた装甲であり、製鋼後に表面を焼入れすることで硬化処理を施した表面硬化装甲とは区別される。】(ウィキペディアより)

 これだけじゃわかりませんよね?ようするに炭素鋼(スチール)にニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)等を若干ずつ加えた合金のことです。割れやすい表面硬化装甲と違い、砲弾に対する靭性が高く、装甲が厚ければ変形しやすく砲弾を受け止めて滑らせる可能性が高いそうです。(もっと分からないか?爆)

 
 実は均質圧延装甲の有用性は列強でも知られていてイギリスのビッカース社をはじめとして日米でも開発され採用されました。


 おそらく肝はニッケル・クロム・モリブデンの配合の具合(間違ってたらごめんなさい。なにせ金属には素人ですから)だと思うんですが、伝えられるところによるとボータン装甲の強靭性は群を抜いていたとされます。

 実際、ドイツ艦の強靭性は第一次大戦でも実証されてますしね。このボータン装甲を採用したビスマルク級戦艦は15インチ砲戦艦でありながら16インチ以上の防御力(通常は自艦の搭載する砲と同等の防御力を有する)があったと言われています。


 第1次大戦中のバイエルン級を参考にしたため設計が古く防御力に致命的な難があったと酷評されるビスマルク級ですが、実戦で14インチ砲戦艦キングジョージ浩ぁ16インチ砲戦艦ロドネーの砲撃で上部構造をぐしゃぐしゃにされながらまったく沈む気配が見えないほど強靭だった理由の一つは、こんなところにもあったのではと思います。


 では、ボータン鋼採用前の一次大戦の時のザイドリッツとデアフリンガーの強靭性は?と聞かれると返答に困りますが(苦笑)。



 理由:ドイツ戦艦はおかしいんです(爆)。巡洋戦艦のくせに21発の戦艦主砲の直撃弾と1発の魚雷を浴びながら沈まない奴なんか知るか~!!!