鳳山雑記帳はてなブログ

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マッキ Mc.205V 「ベルトロ」

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 へたれへたれと馬鹿にされ蔑まれるイタリア軍。でもやればできる子なんです!(力説)

 さしずめ、このマッキMc.205V「ベルトロ」などはイタリア軍最良の(Re.2005と悩むところではありますが…)戦闘機といっても過言ではないでしょう。

 もともと空冷エンジン搭載のMc.200サエッタにドイツ製の液冷エンジン「DB601」(1100馬力)を搭載したのがMc.202フォルゴーレでした。これが意外な成功だったので(失礼)、気を良くしたイタリア空軍はさらに出力の高い「DB605」(1470馬力)を搭載してMc.205と名づけ機体を再設計しました。

 大幅に改造した205Nと、最小限の改造にとどめた205Vの2本立てで計画を進めましたがいざ完成してみると性能があまり変わらず、むしろ最高速度では205Vのほうが上回るという結果が出たのです。ここらあたりイタリアらしい微笑ましい(そうか?)エピソードなんですが、ともかくアメリカのノースアメリカンP‐51「マスタング」と互角に戦えた(ただしイタリア軍主張)という高性能機でした。


【性能諸元】

乗員:1名
全長:8.85 m
全幅:10.58 m
全高:3.05m
翼面積:16.8m²
空虚重量:2,581kg
最大離陸重量:3,900kg
エンジン:Fiat R.A.1050 RC.58"Tifone"×1(DB605エンジンのライセンス)
推力:1,475hp

最大速度:640km/h(高度7,500m、400mph)
航続距離:855km
実用上昇限度:11,500 m(37,650ft)
武装(M.C.205V後期生産型)
 12.7mm Breda-SAFAT 機銃×2(各400発)
 20 mm MG151/20 機関砲×2(各250発)
 320kgまでの爆弾を搭載可能


 このくらいらいの性能なら、そこそこやれそうなんですが悲しいかなデビューが1943年6月。分かりますよね?7月25日ムッソリーニ失脚、9月8日イタリア無条件降伏であまり活躍できませんでした。

 この機体の不幸なところは、降伏して連合軍側に入ったイタリア・バドリオ政権と、枢軸側に残った傀儡政権のムッソリーニ・サロ政権の両軍で使用されたことです。また、ドイツ空軍もこの機体の優秀さを認め接収して自軍で使用します。

 不幸な生い立ちではあっても機体は優秀なので、大戦終結後の1947年まで生産は続けられたそうです。それにしてもイタリアは要領いいですね。戦争の張本人のくせにしれ~っと連合軍に入るんだもんな。ヘタリアと馬鹿にされつつも、そのしたたかさには舌を巻きます。憎まれることもなく、その弱さゆえに敵に愛されているような気さえします(笑)。馬鹿正直な日本も見習ったほうがいいかも?