鳳山雑記帳はてなブログ

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ハインケルHe112

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ハインケル He112は第二次世界大戦前にドイツのハインケル社で開発された単発のレシプロ戦闘機である。ハインケル社独特の楕円翼を持ち、逆ガルタイプの全金属製機で当時としては近代的な機体だったが、メッサーシュミットBf109との比較審査に敗れドイツ空軍での制式採用はならなかった。その後密閉式の増加試作型が輸出用として少数生産され、日本海軍でも12機購入し九六式艦上戦闘機との比較審査を行っている。

                  - フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より -

【性能諸元】
(V9・or・B型)

全長: 9.30 m
全幅: 9.10 m
全高: 3.85 m
翼面積: 17.0 m²
全備重量: 2,250 kg
エンジン: ユンカース Jumo210Ea 680 hp × 1
最大速度: 510 km/h
実用上限高度: 8,500 m
航続距離: 1,100 km
武装
20 mm機関砲 × 2
7.92 mm機関銃 × 2
乗員: 1名



 1933年、ドイツ航空省はそれまでの主力戦闘機ハインケルHe51に代わる新型戦闘機の競争試作をハインケル社とメッサーシュミット社に命じました。

 メッサーが速度重視で生産性に優れたBf109を開発したのに対し、ハインケル博士は楕円形翼で操縦性と運動性に優れたHe112をぶつけてきました。何度かの比較審査の末、1937年速度でもBf109に40km/h速くほとんどの部門で優れた性能のHe112B0を送り出したハインケル博士は自信満々だったと思います。

 しかし、最終的に軍配はメッサーにあがります。生産性に優れたメッサーを選択した軍当局は後から見れば正しい選択をしたと思います。

 しかしこれに納得しないハインケル博士は、独自開発でさらに性能の優れたHe110を開発しました。この機体も当時600km/h以上という驚異的な速度を発揮したにもかかわらず正式採用はされず少数の生産に終わります。

 ハインケル博士は、あくまで職人気質の技術屋でグローバルな視点が欠けていた印象があります。それに対してメッサーシュミット博士は、軍がどんな機体を望んでいるのか鋭敏に嗅ぎわける優れた資質がありました。これが政治力に優れたと評された所以でしょう。

 ハインケル博士は、どうもポルシェ博士と似ている気がします。あの人もとうてい実現したとは思われない超重戦車マウスを嬉々として設計してましたから…。