「奇談」 庄司浅水編著から、またまた面白い話をいくつか紹介します。
○「バルタジ将軍」
1711年、オスマントルコとロシアが戦争した時のこと。トルコ軍の総司令官バルタジ将軍は、砲440門を装備した精兵27万で、ロシアのピョートル大帝の大軍と対戦。ルーマニア、プルト川近くでロシア軍を破り包囲します。水・食料・弾薬などの補給を断たれたピョートルは死を覚悟しました。
しかしなぜか、バルタジ将軍は、この囲みを解いてロシア軍を逃がしてしまいます。
後年、北方戦争で敗れたスウェーデンのカール12世がトルコに亡命してきます。カールは、なぜあのときロシア軍の囲みを解いたのかバルタジに尋ねました。それはそうでしょう。このときピョートルを倒していれば、そもそもカールは北方戦争をしなくて良かったのですから。
バルタジの答え。
「陛下、それはこうです。もし私がピョートルを倒したら、いったい誰があの広大なロシアを治めるのですか?」
その通りなんですが、何だかなあっていう話です。
○「戦いの決着が建築コンテスト???」
1767年のビルマ=タイ戦争は不思議な手段で決着がつきました。タイ領ナン市の要塞の攻防戦で両軍は多数の死傷者をだします。戦いに疲れた両軍の代表は、会見し休戦を決めました。そして戦争の代わりに双方でパゴダ(仏塔)を建設し、どちらが早く竣工するかで決着をつけようとします。
コンテストの結果タイ側が早く竣工し、約束通りビルマ軍は撤退したそうです。
そのパゴダは今もナン市にあり、ワット・チャン・カム寺院として観光名所になっているそうです。
世の中の戦争も、こんな平和な手段で解決すれば良いのですが。そのまえに、ビルマもこんなことで撤退するくらいなら、初めから戦争を仕掛けるな!!って言いたいです。
まだまだ続きますよ。それにしても古本屋で100円で買ったわりには、楽しませてくれる本です。