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『蘇民将来』の謎

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 皆さんは『蘇民将来』という言葉を聞いたことがありますか?なんでも神様の名前だそうですが、家の前に「蘇民将来子孫ノ門」という札を掲げていれば、疫病を免れることができるそうです。または「茅の輪」を掲げても同様に疫病除けの効果があるとか。

蘇民将来伝説)
夜叉国から千里ほどはずれたところに、粗末な庵に住む老翁であったが、牛頭天王が妃を娶るために遠く摩詞陀国から南海の八万里も離れた龍宮へ旅をされた際、その途中天王のために、粗末ながらも一夜の宿をもてなし、しかも
瞬時に数万里をも進むとされる隼鷂という宝船を捧げて天王のために力を貸された神である。
 後に、天王からは夜叉国を与えられ、さらにその子孫には「蘇民将来の子孫です」と云えば、疫病から守護されることを約束された。

                              【『備後国風土記』より】

 実はこの蘇民将来の正体ははっきり分かっていません。外来の神のような気がしますが「茅の輪」と関係があることから朝鮮半島系のシャーマニズムに由来するのではないかと考えます。
 「茅の輪くぐり」神事は日本各地で行われていますが、これは卑弥呼の鬼道に通じるものがあります。以前、当ブログ「トンカラリン」の記事で紹介しましたが、かっての洞窟をくぐり神意を得るという「ずい穴信仰」が「茅の輪くぐり神事」の源流だという説があります。

 ここから想像すると蘇民将来も半島系の神だったのではないでしょうか?しかし、この話、日本神話の海幸山幸の伝説とも酷似していることに気付かれると思います。日本古来の神道の行事にもなっている蘇民将来、あるいは茅の輪くぐり神事、追求していくと日本国家そのものの成り立ちまで解明できるような気がします。