鳳山雑記帳はてなブログ

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マヨイガ(迷い家)伝説

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 先日寝付けなかったので、久々に柳田国男の「遠野物語」を読みました。色々面白い話があった中で、マヨイガ迷い家)の伝説に興味を憶えました。簡単に紹介すると

「ある貧しい家の主婦が、薪を採りに山中に入ったところ、迷ってしまった。山中で立派な黒い門のある屋敷にたどり着き、道を尋ねようと中に入った。家の中も立派で奥の座敷には食事の用意までしてある。しかし、いくら呼んでも人影がないので怖くなり何も持たずに逃げ帰った。しかし、ある日、赤い椀が川に流れてきたので拾って持ち帰り、穀物を量る器として使用すると、穀物が一向に減らず、最後には長者になった。
 遠野では山中の不思議な家をマヨイガと呼ぶ。それに行き当たる者は什器家畜など家にあるものを持ち帰らなければならない。神様が人に授けんがために見せるものである。この主婦は欲がなく、何も持ち帰らなかったので、赤い椀のほうから自分で流れてきたのだ。」

 どうです?不思議な話ですよね。遠野地方では現実に信じられているらしく、昭和に入ってからも営林署の職員が桐の巨木を見つけ半日仕事をほっぽり出してマヨイガを見つけたそうです。伝説では桐の巨木の近くにマヨイガが存在すると言われています。
 また山中で不思議な家を見つけたが、後日そこに行ってみると家は見つからなかったという話もあります。

 なんとも不思議な話です。厳しい現実の生活を離れ遠野物語の世界に心を馳せるのも必要かもしれませんね。