

半信半疑のピサロですが、この申し出を受け入れます。すると帝国各地から集められた財宝によってまたたく間に部屋は一杯になりました。
集められるだけ集めさせて、ピサロは約束を破りアタワルパを処刑しました。欲に目がくらみ莫大な財宝を独り占めしようとしたのです。
皇帝を殺されたインカの人たちは、奥地に籠もってスペインに抵抗します。それも鉄砲と騎兵を使用する近代的戦法のスペイン軍に次第に鎮圧されました。
そんな中、ピサロはある噂を耳にします。
『アンデス奥地のインディオの部族の首長は黄金に身を包み湖でそれを投げ込むという儀式を繰り返している。その地は莫大な黄金を産する黄金郷である。』
欲深いスペイン人たちは、黄金郷エルドラドを探してアンデスの奥深くに分け入りました。そんななかグァタピタ湖の近くに住むインディオの部族が伝説の人々らしいと情報を得ます。
スペイン人は現地人を拷問して財宝のありかを吐かせました。それは莫大なエメラルドを産する鉱山でした。スペイン人たちはグァタピタ湖に近い盆地に都市を築きます。それが今日のコロンビアの首都ボゴタの始まりだそうです。
ただ、私はこの地が伝説のエルドラドだったかどうか疑問を持っています。エメラルドは確かに豊富だったのですが肝心の黄金はありませんでした。近年、アンデスを越えた大西洋側のアマゾン川上流、ボリビアの地に人工的に作ったとしか思えない2000個にも及ぶ四角形のため池と総延長5000キロの直線網、巨大な地上絵が見つかりました。3000年以上前と推定されるアマゾン文明の発見です。
かってアマゾンが海だった時代に存在したという伝説の黄金都市マノワを彷彿させる太古の文明と黄金郷は何か関係ないでしょうか?
世界史の教科書がいつか書き換わるかもしれない大発見です。いま急ピッチで発掘作業が進められているそうですが、はやく全容を解明してほしいと思っています。その時には伝説に過ぎないといわれた黄金郷『エルドラド』の謎が解明されると信じています。