
イラン戦争でホルムズ海峡が事実上通れない状況となり日本をはじめ各国が困っています。ある人が、今はともかく将来的にもイランの政権がいつ封鎖するか分からないのでホルムズ海峡を通らない運河を掘削してはどうかと発言していました。
そこで、素人ながらその可能性について調べてみました。比較になるのは国際運河の代表であるスエズ運河とパナマ運河。どちらも200m以上の幅があり片側通行としてスエズ運河は最大77.5mの船幅のタンカーや貨物船が通過できます。パナマ運河の場合は51.2mまで。
ホルムズ海峡を通らずにUAEの領土内で運河を掘削するとなると、アラビア海側の主要港であるフジャイラとペルシャ湾側を結ぶとして95㎞前後の掘削が必要です。距離はパナマ運河よりは長くスエズ運河よりは短いですが、ここに最大の問題があります。ホルムズ海峡の南側、先端のオマーンの飛び地とUAEの北部にはムサンダム半島が存在します。実はこの半島が大問題なのです。最大標高は2000mもあり、UAE側の一番低いところでも400mの高さがあります。
現代の技術ならできないことは無いと思いますが、それでもこの標高差はかなりの難工事になりそうです。スエズ運河は総延長は長くとも標高差はわずか2.5mくらい。パナマ運河でも26mしかありません。さすがに400mもの標高差があるといくつもの閘門(こうもん 船舶航行のために水位を調節する関門)を設けなければなりません。パナマ運河では6つの閘門で三段ですが、この標高差だと何十段にも閘門を設けないといけないため現実的ではありません。
ホルムズ海峡の危険性を承知しながらバイパス運河建設の話が出なかったのはこの標高差が問題だったのでしょうね。となると現実的なのは今あるUAEのパイプラインを拡充して他の湾岸諸国の石油や天然ガスもフジャイラ港に移送できるようにすることです。そのためには、パイプライン増設工事の費用をバーレーンやカタール、クウェートなどの湾岸諸国と日本などの石油輸入国が工事費を出し合って国際共同管理にすることだと思います。今あるUAEのパイプラインと国際共同管理のパイプラインでホルムズ海峡を通らずに輸出できるようになるといくらイランがならず者国家でも輸出入国が苦しめられることは激減すると思うんですよ。
その結果、UAEのフジャイラ港はアラビア半島一の繁栄した港になるのでUAEとしても非常にメリットがあります。また新設のパイプラインは国際共同管理なので、もしイランがこれに攻撃すると全世界を敵に回すことになります。今は無理でしょうが、将来的にUAEに国際管理のパイプラインを増設するという案、素人考えながらなかなか良い案だと思うんですが、皆さんはいかがお考えですか?
もう一つ、サウジアラビアが作っているペルシャ湾から紅海に抜けるパイプラインにも同じようなことができると思います。こちらは主に欧州諸国の負担になりそうですね。