鳳山雑記帳はてなブログ

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米軍ベネズエラ侵攻の軍事的考察

 2026年1月3日、アメリカ軍がベネズエラを急襲しマドゥロ大統領を拘束した事件は世界を驚かせました。対テロ作戦という大義名分で独立国家を一方的に攻撃し相手の大統領を拘束するという事件は、1989年に起こった米軍によるパナマ侵攻とそっくりでしたが、あの時は一か月以上かかったのに対し今回はわずか2~3時間程度で終わるという超電撃作戦でした。

 この侵攻の是非はともかくとして、軍事的に米軍がどのような行動をとったのか興味を持ったのでネット上ではありますが情報を集めてみました。真実は永遠に分からないとは思いますが、一応私なりに纏めました。

 その前に、この日はちょうどシナの特使と代表団がベネズエラマドゥロ大統領を訪問した当日だったそうですね。いきなりの米軍の攻撃で領空封鎖、航空便の全停止でシナ代表団はどうするのでしょうか?ネット上で口の悪い人がコメントで「泳いで帰れば?」とか「大好きなベネズエラでの観光を心行くまでお楽しみください」などと揶揄していました。

 他人事ながら、このベネズエラ訪問を主導した王毅外相は大失態で失脚するのでは?と思います(笑)。この日をトランプが選んだのも何らかのメッセージ性がありそうですね。

 それはともかく、米軍がどのような行動をとったかですが、その前に数か月かけてマドゥロ大統領の行動を監視し何月何日にはその場所にいると警備の状況も含めてピンポイントで把握していたそうですね。おそらくCIAなんでしょうが、その情報収集能力には驚きました。

 現地時間1月3日深夜1時50分、最初の爆発がベネズエラの首都カラカスで起こります。これはフォード空母打撃群から発進したステルス機(おそらくF-35C)によるピンポイント精密爆撃とドローン攻撃、トマホーク巡航ミサイルによるものだと言われ、標的は政権中枢部、カラカスにあるラ・カルロタ空軍基地、レーダー網、通信施設などだったそうです。ここからはネット情報ではなく私見ですが、ファーストストライクのF-35Cは最も危険なレーダー網とS-300無力化を最優先し、第二波以降はF/A-18E/Fスーパーホーネットプエルトリコ基地から発進したMQ-9リーパー無人攻撃機なども使われたのではないかと思います。報道では150機以上がこの攻撃に参加したと言われていますから。

 同時に大規模なサイバー攻撃、電子戦機EA-18Gグラウラーによる強力なジャミングで、指揮系統、通信網を遮断します。これによってカラカスは停電し軍の指揮系統も麻痺しました。ベネズエラ軍が頼りにしていたロシア製のS-300対空ミサイルシステムは完全に無力化、暗闇の中首都カラカスの制空権はアメリカ軍に握られます。

 疑問なのはベネズエラ空軍は、ロシア製のSu-30MKV×24機、アメリカ製のF-16ブロック15OCU×21機、フランス製のミラージュ50(ミラージュ5のベネズエラ仕様)×12機保有していたはずで、1機も迎撃に上がれなかったのだろうかという事。あるいは散発的な抵抗もF-35スーパーホーネットが排除したのかもしれません。

 完全な行動の自由を得た米軍は、F-35C援護の下複数のヘリに搭乗した対テロ特殊部隊デルタフォースがマドゥロ大統領の就寝していた場所(大統領官邸?公邸?)に降下しました。完全な奇襲で混乱した大統領の護衛部隊を銃撃戦で制圧、マドゥロ大統領とその妻を拘束すると、高速で離脱します。

 まさにパーフェクトゲームというべき鮮やかな軍事作戦でした。米軍はまだまだ世界最強の軍隊だという事です。おそらくこのような完璧な作戦はロシアやシナはできないでしょう。ただ、ここまでは大成功ですが独立国家を国際法違反の軍事攻撃でその大統領を拘束するという行為は許されることではなく、今後の国際情勢に大きな禍根を残すと思います。

 加えて、虚仮にされたベネズエラ軍がこのまま黙って見過ごすのかどうかも気になります。本格的に戦って米軍に勝つのは不可能ですが、山岳地帯に籠ってゲリラ戦を展開したらさしもの米軍も困るのではないでしょうか?これにシナやロシアが支援したら泥沼にはまる可能性もあります。今後の推移を見守りましょう。

 アメリカは、パナマ侵攻の時のように傀儡政権を立てて統治させる手段を取るかもしれませんが、麻薬カルテルという根本が解決されないため数年たつとまた同じような状況に陥ると思います。公正な選挙を行って民主的な政府を立てても、それがアメリカの言う事を聞くかは未知数で、逆に反米感情を悪化させる可能性も高く、これも元の木阿弥になりかねません。

 結論として米軍のベネズエラ侵攻、今のところは軍事的に成功ただし今後はどうなるか分からないというのが私の感想です。

 

 

追伸:

 その後の報道によると、マドゥロ大統領夫妻はミラフローレス宮殿に居たところ、就寝中にデルタフォース隊員12名の急襲を受け、厚さ15㎝の鋼鉄のバンカーに逃げ込む前に拘束されたとの事。暗闇の中、サーマルスコープ(赤外線暗視スコープ)装備の特殊部隊が突入し、不意を突かれて右往左往する大統領警護部隊を翻弄した様はまさにゲームのコールオブデューテイの世界です。

 銃撃戦はデルタフォースの圧勝で1名の犠牲者も出さなかったそうです。1名銃創を負ったそうですが命に別状はないとの事。一方、どれくらい大統領警護部隊に犠牲者が出たかは分かりません。

 デルタフォースは、マドゥロ大統領がバンカーに籠った場合に備えて高出力バーナーまで準備していたそうですから用意周到ですね。私の印象では1個中隊200名くらい送り込んだのかなと思っていたんですが、わずか1個分隊で大仕事をやってのけるのですから凄いの一言です。対テロ特殊部隊デルタフォースがいかに精鋭か分かりますね。

 数か月前からミラフローレス宮殿そっくりの建物を建て突入訓練をしていたそうですから驚きます。決行にはタイミング、天候まで綿密に計画を立てていました。シナの外交使節団が訪問したタイミングは、アメリカにとっては絶好のチャンス、シナにとっては最悪の瞬間だったんでしょう。マドゥロも油断していたでしょうから。

 例によって、突入の様はカメラによってリアルタイムでトランプ大統領も見ていたそうで、ビンラディン殺害の時のオバマ大統領と同じですね。

 改めて思うんですが、アメリカにはいろいろ言いたいことはあるしろくな国ではないですが、同盟国で良かったですよ。こんな国を敵に回すのは自殺行為です。