この前、米海軍が今後中核戦力になるであろう汎用フリゲート、コンステレーション級の建造計画を中止したという記事を書きました。中止と言っても今建造中の2隻はそのまま完成するのでコンステレーション級は2隻のみとなります。
計画中止となったのは米海軍の度重なる要求追加で設計変更が頻繁になされ、当初の予定より建造費が高騰し日本円で1874億円まで膨れ上がったことも理由の一つでした。その関連で各国のフリゲートの建造費を調べてみたんですが、日本のもがみ型が470億円、これは能力を絞ってぎりぎりの性能でまとめたため、その発展型である新型FFMでは1049億円まで膨れ上がっています。
イギリスの場合、現有の主力フリゲートである26型フリゲートで1991億5千万円も建造費がかかりますが、これは満載排水量8600トンの巨体でありVLS(垂直発射装置)を72セルも搭載する実質ミサイル駆逐艦並みの艦なので例外でしょう。比べるなら、今建造中の汎用フリゲートである31型だと思います。
31型は満載排水量5700トンで、日本のもがみ型(5500トン)とほとんど変わりません。VLSはシーセプター短SAM(艦対空ミサイル)用のVLSが24セルで、トマホーク巡航ミサイルなどを搭載する長距離打撃用のMk.41VLSは後日装備となっています。とは言え艦体の大きさから8セルくらいかなと思っています。31型フリゲートは建造費430億円で、もがみ型より安いのでこの武装でこの価格ならコストパフォーマンスが良いと言えますね。まあMk.41を追加搭載したらもがみ型を超えるのは確実でしょうが。
英海軍は、26型、31型のほかに45型駆逐艦も保有しているんですが、48セルのVLSに個艦防空用のアスター15と艦隊防空用のアスター30ミサイルを搭載しているので汎用というよりはミサイル駆逐艦の分類になると思います。その証拠に45型の後継として計画中の83型は満載排水量10000トン超えでVLSも最大128セル搭載予定なので完全にミサイル駆逐艦ですね。
英海軍は駆逐艦をDDG(ミサイル駆逐艦)として運用し、フリゲートは汎用艦として使用するつもりなんでしょう。これはあくまで私の個人的感想で実際は違うかもしれないので話半分で聞いてくださいな。
ところで、コンステレーション級はイタリアとフランスが共同開発している汎用フリゲート計画FREMMをベースにして設計されたそうですが、度重なる設計変更で今では似ても似つかぬ存在になったそうです。FREMMと共通する部分がわずか10%だそうですから、完全に別物ですね。
FREMMで計画されたフリゲートは、フランスではアキテーヌ級駆逐艦(現在では駆逐艦とフリゲートの区別が曖昧になっている)、イタリアでカルロ・ベルガミーニ級フリゲートとなり就役しています。アキテーヌ級駆逐艦で満載排水量6100トン、VLS32セル、ベルガミーニ級フリゲートは満載排水量5950トン、VLS16セルと微妙に違いますが、どちらも建造費751億円前後とコンステレーション級の1874億円と比べるとはるかにリーズナブルになっています。
汎用フリゲートなんですから、さすがに建造費1000億円超えは各国にとってきついのでしょう。日本の新型FFMは現在では1隻あたり1049億円超えですが、オーストラリアも採用したことから量産効果で建造費が安くなると良いですね。
追伸:
ちなみにシーセプター短SAMは共通モジュール式対空ミサイル(CAMM)で開発されたもので、陸軍向けはスカイセイバーと呼ばれています。ベースになったのは空軍のASRAAM短距離空対空ミサイルで、ASRAAMの終末誘導がセミアクティブレーダーホーミングなのに対し、CAMMではARH(アクティブレーダーホーミング)に変わったそうなので、より撃ちっぱなし能力が強化されました。