鳳山雑記帳はてなブログ

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23式艦対空誘導弾(A-SAM)とNSAM(A-SAM改)の展望

「採用すれど購入せず」護衛艦と国産対空ミサイル


 2023年5月とちょっと古い記事なんですが、ちょうどA-SAMについて調べている時に見つけたので読んでみました。

 筆者の文谷数重氏は清谷信一氏と同様、私の評価が低い軍事ライターではあるんですが、清谷氏の記事が99%信用できないのに対し文谷氏は20%くらいはまともなことも書いているので完全に無視はできません。この記事も、違和感はありながらも私の考えにも近いのでご紹介します。

 仮称A-SAMとして開発が続けられていた海上自衛隊の新型艦対空ミサイルは正式に23式艦対空誘導弾として採用されました。2025年度概算要求で記載されているのでまさに今年から取得が始まりそうです。23式は、03式中距離地対空誘導弾をベースに開発され射程は60㎞から100㎞ほど。もがみ型FFMの後継である新型FFMに搭載予定です。最初はもがみ型のVLS垂直発射装置)にも搭載するのではないか?と言われていましたが、現状もがみ型のVLSは07式SUM(垂直発射式魚雷投射ロケット)のみで23式搭載の予定はありません。

 文谷氏によると、23式は現代海戦の主体である超低空迎撃に最適化されていないそうです。23式の最低迎撃高度は30mと言われ、ESSMブロック2やSM-6のように5m以下の迎撃能力に力を注いでいないそうです。ここらあたりは軍事機密なのでもしかしたら23式が超低空迎撃能力を付与されている可能性も捨てきれませんが、敵の対艦ミサイルは海面すれすれに飛んでくるので、もし30m以下の迎撃が得意でないなら護衛艦は致命傷になりかねません。

 あくまで文谷氏の分析が正しいとすると、アクティブレーダーホーミング能力を付与されたESSM(発展型シースパロー)ブロック2に大きく後れを取ることになります。しかもESSMはVLSの1セルに4発積めるので1セル1発の23式は厳しくなります。もちろん射程距離最大100㎞は魅力ですが、艦隊防空にはイージスシステム搭載ミサイル護衛艦のSM-6(射程370㎞)があるため中途半端になります。23式は個艦防空、僚艦防空には優れていても艦隊防空に使うには心もとないというのが正直な感想です。

 となると即応性、同時発射能力に優れたESSMブロック2の方が、射程50㎞に目を瞑ればメリットが大きくなります。実際新型FFMを採用したオーストラリアでも艦対空ミサイルにはESSMブロック2を搭載する予定だと聞きます。今後開発されるであろう23式の改良型NSAM(A-SAM改)に期待するしかありませんが、果たして海上自衛隊はどういう運用を考えているのか非常に気になります。