「艦艇防衛用の新型ミサイル」日本での生産実現!“撃ちっぱなし型”で艦員の負担も軽く 三菱電機がRTXと契約
ESSMというのは日本では発展型シースパローと呼ばれる西側標準装備の艦対空ミサイルです。最大射程50㎞のセミアクティブ・レーダーホーミングミサイルで、Mk.41VLS(垂直発射装置)の1セルにつき4発積めるので日本の護衛艦でも使用されています。設計はアメリカのジェネラル・ダイナミックス社で製造がレイセオン。
もとになった空対空ミサイルAIM-7スパローは、1950年代に登場した当時では画期的ミサイルで赤外線誘導のサイドワインダーミサイルと共に一時代を築きました。ベトナム戦争当時は命中率に難がありましたが改良を重ね1990年の湾岸戦争時の信頼性は非常に高くなったと言われます。
このミサイルの弱点は、敵に命中する最後までレーダーを照射し続けなければならないので発射した後に回避行動が取りにくいことがあげられます。ですので空対空ミサイルとしては、ミサイル自体がシーカーを持ち自らレーダー照射し敵を追尾できるようになったアクティブレーダーホーミングのAIM-120AMRAAMに取って代わられます。日本でもアムラームと同じアクティブレーダーホーミングのAAM-4(99式空対空誘導弾)が登場してスパローは旧式化しました。
とは言え航空自衛隊はまだかなりの数のスパロー(数千発単位)を保有しているので、どう処理するか気になります。実弾なので訓練で消費するわけにはいきませんからね。ウクライナが必要とするなら全部供与しても良いくらい。ウクライナとしたらアムラームの方が有り難いでしょうけど。
シースパローとその発展型のESSMが残ったのは、その信頼性の高さとそもそも艦船は飛行機と違い速度が遅く敵ミサイルを回避できないからです。回避できないなら撃ち落とすしかないのです。艦船のレーダーは航空機用レーダーと違い索敵範囲が広く、最新のフェーズドアレイレーダーなら同時捕捉、同時発射できるので問題はありませんでした。
初期のイージスシステム搭載艦であるタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦で目標同時追尾128、同時対処16、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦で同時追尾128、同時対処12でした。その後イージスシステム自体も改良が進み、最新型では同時追尾200、同時対処能力も20目標以上に性能向上しています。
ただ、同時対処といってもレーダー照射を細切れにしてそれぞれを追尾できます。同時対処20といっても、命中したらすぐ次のミサイル誘導に切り替えられるので敵が20発以上のミサイルで飽和攻撃しようとしても成功はしにくいと言われますね。
そんなESSMですが、アムラームのようにアクティブレーダーホーミングにしたらさらに同時対処能力が向上するのは素人でも分かります。そんな夢のような能力がESSMブロック2でついに実現しました。アメリカだけが独占するのかなと思っていたんですが、今回三菱電機がライセンス生産の契約を勝ち取りました。ということで日本でも今後ESSMブロック2が使えるようになります。和製イージスのあきづき型や、汎用護衛艦各種でもESSMブロック2を搭載すれば個艦防空能力が飛躍的に向上します。
日本の防衛力強化は大歓迎です。あまりの嬉しさに記事にしました♪