鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

外輪蒸気船と蒸気タービン機関

 かなりマニアックな内容ですので誰も興味ないと思います。ですのでスルーお願いします。

 蒸気機関というのは、ボイラーで発生した蒸気の持つ熱エネルギーを機械的作業に変換する熱機関の一部でありボイラーなどと組み合わせて一つの熱機関となります。作業物質である水を外部より加熱する外燃機関に分類されます(ウィキペディアより)。

 蒸気機関の源流は紀元後の古代アレクサンドリアの数学者ヘロンが考案したヘロンの機関だそうです。蒸気を噴出し、円周で回転力を得るものです。これが記録に残っているものとしては人類史上で蒸気機関が登場した最初のものだそうで、レシプロ式ではなく蒸気タービンの一種だったそうです。

 その後数々の学者、技術者が蒸気機関を発表しましたが実用的な蒸気機関を作ったのは18世紀のイギリスの技術者ジェームズ・ワットでした。ワットは以前の蒸気機関から復水器を分離して蒸気を冷やすことでシリンダーを高温に保つことができるようになり燃料効率が画期的に良くなる技術を確立します。

 ここで蒸気機関について簡単に説明すると、まずボイラーを加熱し中を通っているパイプの水を沸騰させます。すると蒸気が発生し高温高圧になります。発生した蒸気はパイプを通ってタービンに導かれ、タービンの羽根を激しく回転させます。その回転エネルギーを発電機に回せば火力発電ですし、軸動力に伝えれば船などの推進力になります。その後の蒸気は復水器で冷やされ再び水になってボイラーに戻ってきます。この繰り返しが蒸気機関です。

 最初は炭鉱などの作業で馬の代わりに使われていたそうで、馬力というのもワットの考案だと言われます。蒸気機関は陸上交通などさまざまなところで利用されますが、これを船の推進に利用できないかと考えるのは自然でした。初の実用的船の蒸気機関は1807年にアメリカの発明家ロバート・フルトンが作った蒸気船でこれは外輪式です。

 というのも、当時はスクリューが存在せず、船の舷側に水車のような外輪を付けて蒸気機関で生まれたエネルギーを使って動かす仕組みでした。どんなものか想像できない方に分かりやすい例を示すと、有名なペリーの黒船がまさにそれです。これを外輪式蒸気船と呼びます。

 外輪式蒸気船は、燃料(当時は石炭)を大量に消費するため常時蒸気機関で動かすわけにはいかず、従来の帆と併用するのが一般的でした。蒸気機関を使うのはあくまで緊急時のみ。素人がちょっと考えても分かりますが、外輪式蒸気船は効率が悪く、スクリューが発明されると船の蒸気機関はスクリュー式に取って代わられます。

 これは技術が発展し、船体に穴を開けても浸水しないようになったからです。必要は発明の母と言われますが、商船だけでなく軍艦にも蒸気機関が使われ始めます。18世紀から20世紀にかけて世界の覇権を争ったイギリスとフランスは競争するように汽走軍艦を建造しクリミア戦争などでも使われました。

 当時の蒸気船は熱エネルギーをピストン運動で動力に変えるレシプロ式でしたが、20世紀に入るとピストンではなくタービンを使う蒸気タービン式が主流になって行きます。蒸気タービンは熱効率、エネルギー効率を飛躍的に上昇させます。最初は石炭が燃料でしたが、それは当時のイギリスに豊富に石炭があったからです。

 1905年、第一海軍卿(日本でいうと海軍軍令部総長)に就任したイギリスのジョージ・アーバスノット・フィッシャー提督は蒸気タービンの燃料を石炭から石油(重油)に代える『石油専燃』を提唱します。石炭より重油の方がエネルギー効率が良いからです。当時石油を産出する中東地域を植民地にしていたのもイギリスの強みだったからでしょう。石油を産出しない他国と差をつけるという意味もありました。

 第一次世界大戦はまさに石油専燃の軍艦同士の戦いでした。これは第二次世界大戦になってもそうです。第二次大戦後、加熱に原子力を使う原子力機関も登場します。ですから原子力船も蒸気タービンなのです。一方、水蒸気ではなく燃料を燃焼させた高温高圧のガスでタービンを動かすガスタービン機関もできました。これはジェットエンジンの一種で、ボイラーの代わりに円心式または軸流式の圧縮機を使います。圧縮機で燃焼用に圧縮した空気を燃焼室に送り込み、同時に燃料を送り込んで燃焼させ燃焼ガスを発生させます。燃焼ガスはタービン室に送られ、タービンブレードを激しく回転させます。これを排出して推進力に使えばジェットエンジンであり、軸動力に使えばターボプロップなのです。

 現代の一見プロペラ機に見えるP-3Cなども、ターボプロップエンジンのジェット機だと言えます。ヘリコプターもターボシャフトエンジンなのでジェット機の一種です。現在ピストンエンジンを使っているのはセスナ機など民間の小型機くらいで、ほとんどはターボプロップターボファン、蒸気タービンも原子力船くらいなのでしょう。