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たいげい型はなぜ出力が下がったのか?

 海上自衛隊の最新鋭潜水艦であるたいげい型。前型そうりゅう型は非大気依存推進(AIP)であるスターリング機関と従来の鉛蓄電池を組み合わせた優れた潜水艦でした。一方、そうりゅう型11番艦、12番艦で採用されたリチウムイオン電池を本格搭載して誕生したたいげい型は、なぜかそうりゅう型の8000PSから6000PSに出力が落ちています。

 一応最大速度は20ノットで同じですが、素人考えでは出力は大きければ大きいほど良いと思ってしまいます。ただ原子力潜水艦並みに30ノット近くになると通常動力型潜水艦の生命線である静粛性がなくなりますので、世界の標準通常動力型潜水艦は20ノットに最大速度を抑えています。

 原子力潜水艦は30ノットの速力を誇り核燃料が続く限り永遠に潜っていられますが、静粛性という点では大きく劣るのです。ですから米海軍は原子力潜水艦に対する一番の脅威が通常動力型潜水艦だと言っています。

 話を本題に戻すとどうして最大出力が落ちたのか長年の疑問だったんですが、最近読んだ記事で氷解しました。というのもリチウムイオン電池の充電には鉛蓄電池より多くの電流が必要になり、出力電流をあげるにはモーターと接続しているエンジンをできるだけ高速回転させる必要があるそうです。

 つまり航行速力に影響するエンジン出力は低い回転数が必要であり、リチウムイオン電池を効率的に充電するには高い回転数が必要で、両者は相反する特性があります。エンジン出力と効率的充電性のバランスを取った結果が6000PSなのでしょう。ただ3番艦までの川崎12V25/25SVディーゼル機関に対し、4番艦以降は新型の川崎V25/31ディーゼル機関を採用しエンジン出力が上がったそうですから問題は無いのかもしれません。

 ちなみに最大潜航期間はそうりゅう型の14日に対したいげい型では30日に上がったそうですから、潜水艦本来の任務である通常哨戒任務、戦闘哨戒任務の遂行能力は大幅に上がったのでしょう。原子力潜水艦は理論上いくらでも潜っていられますが、乗組員のストレスがあるため一か月以上の潜航は難しいと言われます。時々は浮上して海上の酸素を吸わないと精神的にもたないのでしょう。

 その意味でたいげい型は原子力潜水艦並みの能力を持ったとも言えますね。