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箱館戦争とランチェスターの法則

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 ランチェスターの法則とは過去記事でも書きましたが戦争における兵士の損耗を数理モデルを使って説明した法則で、敗者が全滅した時勝者はどれほど生き残れるかを示しています。前近代の戦闘を扱った第1法則では両軍の兵力の差が勝者の生き残り数、近代の戦争を扱った第2法則では戦力の二乗に比例して生き残り数が決まります。

 

 第2法則の例をあげると、戦力は兵士数×兵士数×武器性能で表れますから、ほぼ同じ性能の軍艦10隻と6隻が戦った場合(10×10)-(6×6)で64。ルート64は8ですから、6隻側が全滅するとき勝者側は8隻生き残っている計算になります。

 

 日本で近代戦争の走りといえば後装式ライフルと後装式大砲が登場した戊辰戦争以降だと思います。ところが戊辰戦争では一部がこういった装備をしていたものの、大半は旧式の前装式ゲベール銃と前装式大砲、甚だしい場合は戦国以来の火縄銃で戦ったケースが多く計算できないことに気付きました。ということはその後の箱館戦争西南戦争が候補になります。が、西南戦争も新政府軍が兵力の逐次投入を行ったので兵力の総数での計算が難しいことが分かりました。

 

 結局、戦域も狭く兵士数同士の計算がしやすい箱館戦争で試算しました。箱館戦争に関しては過去記事でも書きましたし有名なので知らない人はいないとは思いますが、一応説明すると幕府海軍奉行榎本武揚率いる旧幕臣3000が蝦夷地を占領、北海道共和国樹立。討伐に向かった新政府軍との間に戦われた戦争です。新選組副長土方歳三終焉の地としても知られています。

 

 最終的に北海道共和国は3500人、討伐に向かった新政府軍は9500人の兵力を投入しました。これをランチェスター第2法則に当てはめると

(9500×9500)-(3500×3500)で78000000

 

ルート78000000は8831.76

 

 ですから北海道共和国軍3500人が全滅するとき、新政府軍は8831人生き残っている計算です。いかに近代戦では兵力が多い方が有利か分かりますね。実際北海道共和国軍戦死者1000人に対し新政府軍はわずか300人の戦死で済んでいます。これを考えると大東亜戦争における硫黄島や沖縄でわが日本軍がいかに善戦したか分かります。しかも武器性能も米軍の方が優れていたにもかかわらずですよ。

 

 現代戦では数の優位が絶対だが、弱者も戦いようによっては善戦できるということでしょう。ただ最終結果は冬戦争のフィンランドのように負ける可能性が高いのです。日本の国防もランチェスターの法則を考慮に入れて整備して欲しいと切に願います。専守防衛など現代戦では絶対にありえない必敗の方針だと国民も政治家も理解すべきです!